バブルが起きるのはなぜか?バブルとは何か?
バブルと聞いてどのような印象をお持ちですか?
明るい・華やか・お金持ち・景気がいいなど、好印象に受け止められがちですが、バブルは決して良いものではありません。
バブルは、市場の過度な期待と異常なまでの空想で、必ず崩壊する一時的な出来事でしかないのです。
そこで今回は、バブルが起きるのはなぜか?バブルとは何か?を考えてみましょう。
バブルが起きるサイクルは10年から20年ごと
最近起きたバブルと言えば、2007年頃の米国不動産バブルです。
その前が1990年代後半のITバブル、その前が1980年代後半のバブル経済。
このことから分かるよう、バブルは10年から20年のサイクルで起こっているのです。
時代を遡っても、戦争バブルや戦前に起こったバブル、運河バブルや鉄道バブル、自動車バブルなど、どの時代にもバブルは起こり、様々な歴史があるのです。
世界で初めて起きたバブルはオランダのチューリップバブル
世界で初めて起きたと言われているバブルは、1600年代に起きたチューリップバブルです。
その昔、ヨーロッパの王族や貴族に愛されていたチューリップは、農園の人たちの稼げるビジネスでした。
当初は、園芸家と収集家の間だけで取引が行われていて、チューリップの価格はなだらかに上昇する程度でしたが、そこに目をつけた一般大衆がチューリップの売買の市場に参加してきて、そこからチューリップの値段の高騰が始まりました。
珍しい種類のチューリップは金よりも高値で取引されるようになり、人々は死に物狂いでチューリップの栽培に徹し、年が経つにつれバブルは加速していきました。
本来ならば王族や貴族に売るためのチューリップでしたが、その意味はなくなり、チューリップを買いそれを売って儲けるためだけにチューリップは取引され、かつては失敗作で捨てられていたチューリップ(株で例えるなら赤字続きの価値のないボロ株)までも高額で取引されるようになりました。
そしてバブル発生から5年ほど経った頃、いつものようにチューリップを売ろうとした人がなぜか売れず残ってしまいました。
この時すでにパニックは始まっていました。
チューリップの売買には膨大な信用取引(借金)が行われていたため、その恐怖心と比例して、チューリップバブルは崩壊していきました。
バブル崩壊の波は社会全体に広がり、国中に破産者が続出しました。
※実際に売買されていたのはチューリップの球根です。
ここから学べることは、モノの価値(価格)は人々が決めるということ、絶対的な価格基準は存在しないということです。
バブルが発生するのは2種類の要因がある
長年の歴史で、どんな環境でバブルが発生しやすいか、ある程度予測できます。
マクロ的な要因でのバブル発生
不動産や株価など、金融商品全般の価格が高騰し、それが経済全体に影響を与えるタイプのバブルです。
80年代後半の日本のバブル経済や2007年頃の米国不動産バブル、現在の中国経済のバブルなどがこれに該当します。
マクロ的なバブルはお金の過剰供給で発生する
マクロ的なバブルは、経済全体としてお金が余っていることで引き起こされると考えられています。
長期の株価を見ると、多少上下があっても、その動きは基本的にマネーストックの動きと連動しています。
マネーストックとは、市場に出回っているお金の総量のことです。
お金の量が増えていけば株価や不動産価格もそれに合わせて上昇していく仕組みです。
しかし、株価がマネーストックの動きと全く同じように動くとは限らず、株価はマネーストックの水準に上下運動を繰り返しながら継続的に上昇していると考えられています。
その時、マネーストックの水準と大きくかけ離れて株価が上昇すると、バブルが発生してしまうのです。
イノベーションを材料とした個別要因によるバブル発生
もう一つのバブルが発生する要因は、イノベーションを材料としたバブルです。
2000年前後のITバブルがその代表格で、新しい技術が登場するたびにこうしたバブルが発生してきました。
今後注目されているのは、ロボット事業
今後何年か後に発生すると予想される、イノベーションを材料としたバブルは、ロボット事業です。
ロボット事業は、多くの経済学者や開発者が、今後一家に一台ロボットを購入すると考えているほど、注目されている分野です。
テレビや冷蔵庫などの電化製品、車、携帯電話やパソコン、その昔は誰も持っていなかったモノでも、革新的な新しい技術が開発されると、必ずと言っていいほど一気に普及します。
バブルとは様々な資産からお金が移動すること
マクロ的なバブルとイノベーションを材料としたバブルも、基本的には、様々な資産から株式にお金が流入して、それに信用取引が合わさって起こる現象です。
マネーストックの水準を超えて株価が上昇している時には、他の資産からお金が流入していて、逆に、株価が下落している時には、全体のバランスを取るために他の資産にお金が流出しています。
他の資産とは、債券やコモディティー、金やプラチナなどです。
ここに信用取引が合わさると威力は倍増する
世界に流通しているお金の大半は信用取引(借金)です。
以前お伝えしたお金と銀行の仕組みでもわかるように、お金とは創造で作られた借金なのです。
株式取引でも為替取引(FX)でも、信用取引やレバレッジなどがあります。
バブルが発生する時も崩壊する時も、信用取引(借金)の大きさによって、バブルの大きさが決まるといっても過言ではありません。
まとめ
- バブルが起きるサイクルは10年から20年ごと
- 世界で初めて起きたバブルはオランダのチューリップバブル
- バブルが発生するのは2種類の要因がある
マクロ的な要因
イノベーションを材料とした個別要因 - バブルとは様々な資産からお金が移動すること
ここに信用取引が合わさると威力は倍増する
近年の過剰すぎるほどの金融緩和は、どのようなことが起きるのでしょうか。
バブルの一番怖いところは、終わってみないと、あの時はバブルだったんだ。とは気づけないことです。