本文へ移動

THINK MONEY

投資の歴史から未来を予想したり、心得や運用方法を学び、より長期的に安全な資産運用ができるよう、10年後も使える投資の考え方

新興国への海外投資はリスクもあるが大きなメリットがある『驚異的な株式投資の利回り』

日本に住みながらでも、海外の株式、債券、投資信託、ETFを通じて、新興国へ投資することはできます。インド、インドネシア、フィリピン、ベトナムなど、人口増加や所得向上が期待される国には、長期的な成長余地があります。

最新チャート新興国株式ETF(EEM)

現在の相場を確認できる自動更新チャートです。本文の分析は執筆当時の市場環境に基づくため、最新チャートとあわせてご確認ください。

新興国株式の参考チャート

この記事には、新興国株式ETFの長期チャートを表示しています。新興国は高成長のイメージがありますが、株価は一直線には上がりません。資金流入、ドル高、米国金利、中国比率、資源価格によって大きく変動します。

新興国投資の魅力

新興国投資の魅力は、先進国よりも高い成長余地にあります。人口が増え、都市化が進み、中間層が拡大し、インフラ投資が進む国では、消費、金融、通信、物流、住宅、エネルギーなど多くの分野で成長が期待できます。

かつての日本も、戦後復興から高度経済成長を経て、所得水準と生活水準を大きく引き上げました。新興国にも、同じように経済発展によって企業利益が拡大する可能性があります。

新興国投資の難しさ

ただし、新興国の高成長がそのまま投資リターンになるとは限りません。株式市場の制度、企業統治、通貨の安定性、政治リスク、外資規制、インフレ、財政赤字など、多くの不確実性があります。

特に重要なのが通貨です。現地通貨建てでは株価が上がっていても、円やドルに換算するとリターンが小さくなることがあります。新興国では通貨安が株式リターンを相殺することが珍しくありません。

米国金利とドル高の影響

新興国市場は、米国金利とドルの影響を強く受けます。米国金利が上がると、投資家はリスクの高い新興国資産から米国債やドル資産へ資金を移しやすくなります。また、ドル建て債務を抱える国や企業にとっては、返済負担が重くなります。

このため、新興国投資では、その国の成長率だけでなく、外貨準備、経常収支、財政収支、インフレ率、債務の通貨構成を見る必要があります。

国を分散することが重要

新興国と一口に言っても、中身は大きく違います。インドのように内需と人口動態が強い国もあれば、資源価格に大きく左右される国もあります。中国の比率が高い指数もあれば、台湾や韓国の半導体関連の影響を強く受ける指数もあります。

そのため、一つの国やテーマに集中するよりも、ETFや投資信託を使って地域と通貨を分散する方が、個人投資家には扱いやすいです。

長期投資家が学ぶべきこと

新興国投資は、長期的な成長を取り込む手段として有効です。しかし、高成長という言葉だけで買うと、通貨安、政治不安、資金流出、株価急落に巻き込まれます。

重要なのは、新興国を「短期で大きく儲ける場所」と見るのではなく、世界経済の成長を分散して取り込む一部として位置づけることです。先進国株式、日本株、債券、金、REITなどと組み合わせることで、新興国投資のリスクを管理しやすくなります。

新興国には、今後も大きな成長余地があります。ただし、投資家が得られるリターンは、成長率そのものではなく、価格、通貨、債務、政治リスクを含めて判断した結果で決まります。

関連記事