新興国への海外投資はリスクもあるが大きなメリットがある『驚異的な株式投資の利回り』
日本では当然のように日本に関連する株式や債券、投資信託やREITなどが一番人気の投資先として選ばれています。
しかし、アナリスト達の中には、この先の未来、日本には明るい材料がないと唱える人は少なくありません。
それには否定も肯定もしませんが、一方では、日本に住みながらでも海外への投資で資産運用する方法はたくさんあります。
日本以外(海外)の投資先、主に、新興国やフロンティアに投資するメリットは十分にあり、特に経済成長の著しい国インド、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどは、この先さらなる成長が期待されます。
しかし、新興国と呼ばれる国々は、私たちの住む日本と比べるとインフラが整っていなかったり、所得が大きく低かったり、国民の生活水準が低かったりと、様々なイメージを持つと思います。
ところが、かつての日本も、現在の新興国と呼ばれる国々と、同じような生活を送っていたことを忘れてはいけません。
逆を返せば、それだけ伸びしろがあるということです。
もちろん不安定な部分もあれば、お国柄や思いもよらない緊急事態などが起こる可能性も十分にあります。
上手にリスクを分散して、海外投資、新興国への投資を上手に運用すれば、より大きなリターンを得ることも可能であり、それがより安全に資産運用をできる方法であることも考えられます。
そこで今回は、驚異的な株式投資の利回りを得ることが可能な、新興国への海外投資のメリットやリスクなどをご紹介します。
日本の経済成長を阻害しているのは人口減少
日本の経済成長に疑いを持つ人の最大の理由は、今後の日本人口の減少です。
日本の人口が、何年も前から減少、少子高齢化に進んでいることは、多くの方が知っていると思います。
これまでの移り変わりを見てみると、日本の人口は2004年に1億2784万人で過去最高となり、それ以降人口減少の道へ突入しました。
2013年には1億2730万人となり、2050年には1億人を切って、9515万人になる見通しです。
人口増加が中国の経済を発展させた大きな要因である
世界経済の歴史の中で、人口が減る国が栄えた例はほとんどありません。
一般に国の成長は、国民1人あたりの生産性の伸びと、人口の伸びの掛け算によって決まるものだからです。
そのことを踏まえて、日本と中国を比べてみると、一目瞭然です。
2014年時点での中国の名目GDPは10,380.38 (10億USドル)で、世界第2位です。
これに対し、2014年の日本の名目GDPは4,616.34 (10億USドル)で、世界第3位です。
日本の名目GDPは長い間世界第2位だったのですが、2010年に中国に抜かれ、それから4年しか経っていないのにすでに2倍以上の差が開いています。
その要因は、人口増加に伴う経済成長です。
中国の人口は世界第1位で、13億7000万人と日本の約13倍です。
13億7000万人の一人当たりのGDPが100ドル向上するのと、日本の一人当たりのGDPが100ドル向上するのでは13倍違うということです。
しかし、世界第2位の経済大国にはなったものの、中国の国民一人当たりGDPは約6000ドル、日本は一人当たり約4万6500ドルですから中国は日本の約8分の1しかありません。
すなわち、中国は13億7000万人もの人口が経済成長を伸ばしている要因と考えることができると同時に、今後中国の人口が伸び続ければ、経済成長もまだまだ伸びると考えることもできます。
少子高齢化がもたらす経済成長の減退
日本の人口減少と同時に、経済成長を脅かしているのは少子高齢化です。
単に人口が減るだけでなく、そう人口に占める生産年齢人口の割合が減り続けていることが、生産性の伸びを鈍らせています。
日本では2050年までに15〜64歳の生産年齢人口が3500万人も減少する一方で、65歳以上の人口は1200万人増え、65歳以上の人口比率は40%になるとみられています。
ちなみに現在の65歳以上の人口比率は約20%ですから、約2倍に増えるということです。
日本の経済成長は少子化対策に掛かっており、この先の未来、日本の経済成長を伸ばすには、出生率を上げるしかないと言っても過言ではありません。
一人当たりのGDPを伸ばせば経済成長は伸びますが、それは非常に難しいので、現実的ではありません。
世界の人口は2050年に100億人を突破する
実は、日本のように人口が減少している国は、世界では数える程しかありません。
ほとんどの国では人口が増え続けており、それが長期的な経済成長を支える礎になっているのです。
2010年から2050年までの人口の伸び率は、日本は-26%に対して世界では+43%と予想されています。
1960年にほぼ30.4億人だった世界人口は、1980年には44.4億人、2000年には60.8億人と急激に増え続け、2011年にはついに70億人を突破しました。
世界の人口増加の勢いは今後も鈍ることなく、2050年には100億人を突破するのではないかと見込まれています。
つまり、2050年には世界人口が現在より約40%近く増加するのです。
人口増加の大半は欧米などの先進国ではなく新興国(特にインドと中国とアフリカ)
2050年には世界の約6人に1人はインド人、7.4人に1人は中国人となり、世界の人口トップ20カ国のうち、米国と日本を除く18カ国は新興国が占めることになります。
地域別に見ると、欧州では2050年までに人口が7.4億人から7.26億人に減少する一方、アジアは43.02億人から52.84億人に増加。
そしてアフリカの人口は、現在の11億人から24.31億人に倍増することが見込まれています。
今後30年余りでもっとも人口が増加するのはアフリカの国々なのです。
人口増加=経済成長と考えるなら新興国に投資するべきと考えることができます
人口増加が高い経済成長に繋がると考えれば、新興国への投資が有望ではないかと考えることができます。
もちろん新興国の中には、政情不安や経済運営への不安など、リスクを抱える国も少なくありません。
しかし、平均的に見て日本や欧米などの先進国に比べて高い成長率を維持している国が多いのは事実です。
リスクを投資のチャンスと考え、見極める力を持てば大きなリターンを期待できます。
世界の人口トップ10(2014年)
- 1位:中国・13億6782万人
- 2位:インド・12億5970万人
- 3位:アメリカ・3億1905万人
- 4位:インドネシア・2億5149万人
- 5位:ブラジル・2億277万人
- 6位:パキスタン・1億8629万人
- 7位:ナイジェリア・1億7394万人
- 8位:バングラデシュ・1億5822万人
- 9位:ロシア・1億4370万人
- 10位:日本・1億2706万人
世界の人口トップ10(2050年予想)
- 1位:インド・16億5200万人(+29%)
- 2位:中国・13億1400万人(-3%)
- 3位:ナイジェリア・4億4000万人(+153%)
- 4位:アメリカ・4億0000万人(+27%)
- 5位:インドネシア・3億6600万人(+47%)
- 6位:パキスタン・3億6300万人(+90%)
- 7位:ブラジル・2億2700万人(+16%)
- 8位:バングラデシュ・2億200万人(+29%)
- 9位:コンゴ・1億8200万人(+256%)
- 10位:エチオピア・1億7800万人(+200%)
19位:日本・9700万人(-24%)
※太字は新興国です。
現代の新興国と呼ばれる国々は昔の日本と状況が似ている
人口が減少している日本とは対照的に、人口が増え続けている新興国ですが、データを比較してみると、30年から40年ぐらい前の日本と非常に近いデータが見られます。
国民の若さで見る
2011年の日本人の平均年齢は45歳で、世界最高です。
しかし、1970年の平均年齢は29歳だったのです。
一方、新興国20ヵ国はというと、2011年の平均年齢は30.7歳で、丁度30年から40年前の日本と同じ段階であることがわかります。
電気の使用量で見る
1970年の日本人1人あたりの電気の使用量は約3000キロワット時だったのですが、2008年には約7500キロワット時と倍以上になっています。
新興国の平均は、2008年は約3000キロワット時で、日本の1970年の頃とほぼ同じ水準です。
GDPの推移で見る
新興国の現在のGDPを見てみると、ほとんどの国が、1970年から1980年頃の日本と同じくらいの水準です。
国によって差はありますが、経済成長率も高度経済成長期の日本と同じような推移の仕方をしています。
かつて日本で起きた急速な都市化が新興国に起こっている
30年前から40年前に日本で起きた急速な経済成長と都市化が、現在の新興国でも起きているのです。
過去の歴史を振り返ると、国の経済発展と共に必ずと言っていいほど起こるのが急激な都市化です。
1900年には世界の人口の13%が都市に住んでいたのですが、現代では、世界の人口の50%近くが都市に住んでいます。
都市化のきっかけとなったのは、英国で18世紀半ばに起こった産業革命です。
都市部に工場が建設されると、必要な労働力が地方から集まります。
それに伴い、労働者の住居や水道、交通システムなどの様々な社会インフラが発展し、少しずつ都市は大きくなっていきます。
日本でも、高度経済成長機以降、都市化の動きが急速に進みました。
1960年には東京、神奈川、埼玉、千葉の人口の合計が19%、約1750万人が集まっていましたが、1975年頃には24%、約2700万人までの15年間で急激に増加しました。
その15年間の首都圏は、住宅、道路、鉄道、地下鉄、スーパー、ショッピングセンターなどが次々と建設され、教育や仕事もどんどん生まれました。
都市化は新たな雇用を生み出し、それによって新たな需要がもたらされるのです。
新興国の都市も消費を活性させ経済成長を促す
現在、新興国に住む人々の約40%が都市に住んでいますが、これが2030年には60%に達すると予想されています。
その分、消費も高度化、活性化して、経済成長を促す力となるのです。
都市化は人々の教育水準を高めるので、国の経済発展を加速させる効果も期待できます。
都市部に住む子供たちの読解力は、地方に住む子供たちよりも高いことが証明されています。
日本でも、都市部の方が地方に比べて所得水準が高いわけですから、このことはなんとなく納得できるでしょう。
中間所得層の増加は消費拡大=経済を成長させる
中間所得層とは1人あたりの1日の支出が10ドル〜100ドルであることです。
年間で見ると約360ドル(43万円)〜3600ドル(430万円)の支出に相当します。
中間所得層は2009年に世界で18億人存在し、先進国と新興国にほぼ半分ずつ住んでいます。
しかし、2030年までに世界の中間所得層は49億人まで増加し、そのうち約35億人は新興国の国民となる予想がされています。
中間所得層が増えると車が売れる
国民1人あたりの年間収入が6000ドル(約72万円)を超えてくると、購買力の向上とともに耐久財の普及率が高まり、消費構造に質的変化が起きると言われています。
日本では、1人あたりのGDPが1万ドルの大台を超えたところから車の販売が急速に増加しました。
1970年代の乗用車の新規登録数を見ると、10年間で28%の伸びでしたが、日本の1人当たりのGDPが1万ドルを超えた1980年代には54%も上昇したのです。
このように日本で起こった消費の変化が、新興国ではこれから40年かけて再現されるのです。
実際にトルコでは、1人あたりのGDPが1万ドルを超えて安定し始めた2010年に、年間50万台の乗用車が売れました。
中国とインドを含むアジアはもちろん中南米・中東・アフリカにも注目
2009年の世界の中間所得層の購買力は21兆ドルですが、2020年には35兆ドル、2030年には55兆ドルへと増加すると予想されています。
そして、世界の国々の中で、今後最も中間所得層の消費が拡大すると予想されるのが中国とインドを含むアジアです。
2000年に世界の中間所得層に占めるアジアの割合は10%でしたが、2040年には40%になると予想されています。
アジアが今後、世界最大の消費市場になることは間違いないのですが、中間所得層が増加するのはアジア以外にもたくさん存在します。
中南米や中東、アフリカなどの国々も中間所得層が増加しており、投資をするうえでも魅力的な国になろうとしています。
中国やインドのように、すでに高成長が見込まれていて、株価などはすでにそれを織り込んだ価格で推移しているものが非常に多いのですが、中南米や中東、アフリカなどの国々の中には、成長の初期段階にある国や企業がたくさんあります。
中国やインドなどに投資をしてもそれなりの上手な資産運用はできるとは思いますが、まだまだ成長の初期段階で、株価にまだ織り込まれていないところに投資すれば、もっと大きなリターンを得ることができるのではないでしょうか。
もちろん、その分リスクはあるので、そればかりに全財産を投資するのはオススメはできません。
新興国はインフラ不足に悩まされている
都市化が起きると、必然的に膨大な人口と経済成長を支えるインフラが求められます。
今後、世界で急速な都市化が進行することはすでに見た通りですが、その急速な動きに、交通、電気、ガス、上下水道といったインフラ整備が追いついていないのが新興国の現状です。
水事情で考える
例えば、私たち日本人は、水道の蛇口をひねれば出てくる水を当たり前のように飲んでいますが、未だに世界では、6人に1人以上の人々が安全な水を飲むことができません。
また、25億人の人々が基本的な下水設備のない生活を送っていると言われています。
さらに、このまま新興国の水に関するインフラが人口増加に追いつかなければ、ほぼ確実に世界的な飲料水不足に陥ります。
ある経済学者が、日本は将来、水の資源国になるのではないかと予想していることを聞いたことがあります。
上下水道のインフラが非常に整っており、さらに天然の湧き水などが豊富にある日本は、中東などが人々には絶対欠かせない石油を輸出しているように、水を輸出する代表的な国になるかもしれません。
電気事情で考える
世界では今だに電力のない生活を余儀無くされている人口は13億人以上もおり、その95%はアフリカやアジアの新興国の人々です。
私たち日本人にとっては、毎日電気のある生活が当たり前になっていますが、世界では5人に1人が電気のない生活を送っているのです。
新興国の成長のキーワードはインフラ建設
現在の人口だけでもインフラ不足の問題を抱えているわけですから、今後、新興国の人口が増え続ければ、ますますインフラ建設の需要は拡大するはずです。
当然ながら、インフラ建設には膨大な人・物・金の投入が不可欠です。
数千億円、数兆円といった巨大プロジェクトは、雇用を生み出し、国民の所得を向上させ、国内消費を拡大させるという好循環をもたらします。
さらに、交通や通信、電力、ガス、水道などの社会インフラが整備されれば、経済効率は格段に高まり、その経済発展を加速させます。
今後20年間で世界中のインフラ投資は500兆〜700兆ドル必要とされ、その半分は新興国で使われると予想されており、国家が国を挙げて設備投資する(税金などを重点的に使う)可能性が非常に高いことも考えられます。
この先、新興国のインフラ事業にかなりの大金が投資されることは確実で、それらの関連する企業に投資するチャンスだと考えることができます。
先進国の金融緩和は短期的に株価を上げただけでいずれは失速する
2013年から本格的に始まった『アベノミクス』は、2015年までの短期的に見れば、どの新興国と比べてもより大きなリターン(株高)になりましたが、これは陸上競技でいうならば短距離走で、いずれは息切れを起こしてしまい、いつかは大きな失速をしてしまうはずです。
衆院解散前に9000円ほどだった日本の株価は、阿部新内閣の発足、日本銀行の度重なる『異次元の金融緩和』で、2015年5月では、おおよそ20000円、約2倍ほどに膨れ上がりました。
これほど短期間に日本株相場が急騰したのは、1980年代後半の『バブル景気』時代にもなかったほどです。
金融緩和縮小が日本の株価の終着点になるかもしれない
今起こっている急激な株高は、紛れもなく金融緩和によるもので、日本の経済成長が予想されているものではありません。
もし、日本が掲げる目標、名目成長率・年3%、実質成長率・年2%を達成したとしても、金融緩和縮小には勝てず、株価は下落すると思われます。
また、仮に日本が掲げる目標を達成できなかったとしても、異次元の金融緩和が5年10年も続けることはできず、目標半ばのところで金融緩和縮小することになれば、株価への影響は計り知れません。
これは、欧州などの先進国も同じです。
今後予想されている米国の利上げは、非常に注目しなければいけないところで、いつかは日本が金融緩和縮小を行った時、同じ道をたどらなければいけないからです。
もちろん、日本が金融緩和を継続中でも、米国の利上げは日本にも影響します。
1987年末から2013年末までの海外投資のリターンは日本を大きく上回った
日本を含まない世界の先進国の株式市場の指標『MSCIコクサイ・インデックス』を見てみると、1987年末から2013年末での期間で、100ポイントから930ポイントまでまで上昇しており、9.3倍です。
もちろん1980年後半からのバブル景気の影響もありますが、同じ期間の日本の株式市場の指数を見てみると、100ポイントから97ポイントと、3%下落しています。
ちなみに、日本を含まない世界の先進国の株式なのですが、上記の株価指数に連動するETFがありますので、いつでも買うことができます。
そのころの新興国のパフォーマンスはさらに驚くべき数字です
新興国株式の株価指数として『MSCI新興国インデックス』を見てみると、1987年末を100ポイントとすると、2013年末には1628ポイントへと、16倍以上の上昇をしています。
経済が成熟した先進国よりも新興国の方が成長性が高いとの期待が強く、その期待を反映して株価も先進国を大きく上回る勢いで上昇したことがわかります。
世界中の大きな投資銀行やファンドは新興国に投資している
世界の株式相場に大きな影響を及ぼしているのは、保険会社や年金基金、政府系ファンドなども、資金を新興国に投資しています。
世界的な金融緩和や利下げなどで、機関投資家のポートフォリオの債券などの比率を下げ、その分株式の比率が上がっています。
また、株式のポートフォリオの中でも比率が変わり、先進国の株式の比率を下げ、その分、新興国株式の比率を上げ、より高いパフォーマンスを出そうとした動きも強まっています。
ゴールドマン・サックスの試算によると、先進国の機関投資家は2030年までに4兆ドル相当の新興国の株式を購入する見通しです。
4兆ドルとは、日本の株式市場の時価総額に近いほどの規模で、新興国のように先進国と比べると小さい市場にこれだけの資金が流れ込むとなると、相当な株価の上昇を引き起こすことになると考えれます。
投資家だけでなく世界の大手企業も新興国に投資している
日本を含む世界中の企業も、新興国への投資を増やしています。
日本の企業が、新興国での売上を増やす計画を発表したりするニュースを目にする機会は増えていますし、新興国の企業との資本提携や買収が盛んに行われています。
このような動きは日本だけでなく、先進国を中心に世界各国でも同じように行われています。
先進国だけでは成長が止まってしまうのでリスクを取り新興国へ投資
先進国の大手企業は、自国でのビジネスを展開するだけでは成長を維持することができないと考え、リスクを取りながら新興国での事業を拡大しています。
そこには、規制、国民性、宗教などの違いや、消費者の所得やインフラ設備など、リスクが当然あります。
しかし、様々なリスクを受け入れてでも、海外に打って出なければ生き残れないという焦りにも似た思いが、世界の大企業を動かしているのです。
新興国に投資するリスクよりも日本に投資や貯蓄しているほうがリスクが高い?
日本国内で最も警戒しなくていけないリスクは、GDPの2倍以上もの政府債務です。
日本は1000兆円を超える借金があり、これは世界一位の金額です。
いくら自国内での借金とはいえ、世界の機関投資家達が一斉に、国債や日本円に売りをしかければ、国の破綻危機に陥る可能性は十分に考えられます。
株式市場でも、円安は株価上昇の材料になりますが、それが国の破綻危機や過剰な円安は逆効果になり、必ず株価も暴落します。
投資などせず、安全な貯蓄をすればいいと考える方もいると思いますが、国債暴落、日本円暴落は想像も絶するインフレ(物価上昇)を引き起こします。
貯蓄額が同じでも、過度なインフレは貯蓄を減らすのと同じことで、もしそれが起これば、日本に預けられている700兆円もの莫大な現金や預貯金は、物価上昇率と同じだけ価値が無くなるということです。
さらに少子高齢化による経済の停滞なども大きなリスクです。
新興国などへの海外投資もポートフォリオに組み入れ上手に資産運用することが大事
日本もリスクがあるならといって、より大きなリターンが見込める新興国へ、資産の体半を投資してしまうのはそれこそ大きなリスクでしかありません。
先進国も新興国も、それぞれの期待と不安があります。
世界経済の情勢や、予想される株価の動きなど、しっかりと理解し、いかにリスクを分散して投資し資産運用をするかが鍵になります。
海外投資で資産運用するメリットはたくさんあります。
私が考える、海外投資で得られる最大のメリットは、リスクを分散できることです。
資産運用で一番大事なことは、絶対に資産を減らさないことです。
増やすことではなく減らさないこと、これは決して忘れてはいけません。
まとめ
- 日本の経済成長を阻害しているのは人口減少
人口増加が中国の経済を発展させた大きな要因である
少子高齢化がもたらす経済成長の減退 - 世界の人口は2050年に100億人を突破する
人口増加の大半は欧米などの先進国ではなく新興国(特にインドと中国とアフリカ)
人口増加=経済成長と考えるなら新興国に投資するべきと考えることができます - 現代の新興国と呼ばれる国々は昔の日本と状況が似ている
かつて日本で起きた急速な都市化が新興国に起こっている
新興国の都市も消費を活性させ経済成長を促す - 中間所得層の増加は消費拡大=経済を成長させる
中間所得層が増えると車が売れる
中国とインドを含むアジアはもちろん中南米・中東・アフリカにも注目 - 新興国はインフラ不足に悩まされている
新興国の成長のキーワードはインフラ建設 - 先進国の金融緩和は短期的に株価を上げただけでいずれは失速する
金融緩和縮小が日本の株価の終着点になるかもしれない - 1987年末から2013年末までの海外投資のリターンは日本を大きく上回った
そのころの新興国のパフォーマンスはさらに驚くべき数字です - 世界中の大きな投資銀行やファンドは新興国に投資している
投資家だけでなく世界の大手企業も新興国に投資している
先進国だけでは成長が止まってしまうのでリスクを取り新興国へ投資 - 新興国に投資するリスクよりも日本に投資や貯蓄しているほうがリスクが高い?
新興国などへの海外投資もポートフォリオに組み入れ上手に資産運用することが大事