株価を短期的に予測することは不可能『短期売買の90%は負けている』

株式投資には、短期投資・中期投資・長期投資と、期間に分けて投資する方法があります。
その中でも、多くの人が行っているのが短期投資です。
ネット上や書籍などでも数多くの情報があり、経済ニュースや新聞などでも様々な情報を入手することができます。
しかし、その短期売買には大きな落とし穴があります。
どれだけ短期売買について勉強しても、ニュースや新聞などで常日頃情報を収集しても、ランダムに動く株価を短期的に予測するのは不可能なのです。
短期売買で株式投資をしている人の90%は負けている
株式投資は、投資収益のブレが大きくハイリスク・ハイリターンだと多くの人が思っているのが現状です。
しかし、これは株式投資 = 短期売買であると認識されているのが原因です。
日本でも、短期売買を繰り返す短期投資家が多くおり、出回っている情報の多くも短期投資に使うようなものがほとんどです。
短期売買とは、安く買って高く売るのを短期で繰り返すことによって利益を積み上げていく手法です。
短期売買の手法は損を抱えてしまい長続きしない
その短期売買で、株式投資の初心者が取引を始め、損を出して株をやめてしまう人がいたり、ビギナーズラックで大きな利益を出す人もいますが、そうした短期売買の手法は長続きしないことが多いのです。
それは、株式市場(投資)全体で見ると、結局は損を抱えてしまう人が多いからです。
様々な書籍やウェブサイトの情報によると、デイトレーダー(1日のうちに売買を繰り返す人)の90%は負けているというデータがあります。
ランダムウォークする法則性がない株価を予測するのは不可能
短期投資は、厳密に言うと投資ではなく投機です。
※投機とは、偶然を狙って利益を得る行為
投機と投資では、似ているようで反対の意味を持つと考えます。
※投機とは短期投資、投資とは長期投資
日本では、投資に関する教育などがされていなく、インターネット上の情報や書籍など(短期売買など)を鵜呑みにしてしまい、ほとんどの人が投資と投機を混同したまま取引をしてしまい悲劇を生んでいます。
投機で利益を出すには、株や債券のような金融商品について、短期間の値動きを予測する必要があります。
それは株の1ヶ月後の値段や債券の1週間後の価格について上がるか下がるかの予測することです。
こうした、短期の価格を予測することはできるのかというと、利益を得ようと競争があり、毎日何百何千何万もの情報が世界中に瞬時に行き渡る中で、金融商品の価格は短期的ではデタラメに動くことが理論上で裏付けられています。
このことを、株価はランダムウォークするといいます。
そして、株価がランダムウォークするということは、株式市場や個別の株価の動きにはまったくの法則性がないということです。
株式市場の価格を決めているのは機関投資家
短期的にランダムウォークする株価の値段を決めているのは、日々取引されている売買代金です。
そして、投資の基本は勝つことより負けないことでも述べたように、株式市場全体の90%以上の売買代金は機関投資家が占めています。
その中でも、アクティブ・ファンド(短期売買で利益を上げている)と呼ばれている機関投資家が、個人投資家の相手となります。
アクティブ・ファンドは、毎日発信されている情報や、株価の動きを機械的(人工知能を使用しているとも言われている)に処理し、売買を繰り返しています。
機関投資家(アクティブ・ファンド)相手の短期売買はギャンブルと同じ
機関投資家(アクティブ・ファンド)相手の短期売買は、ルーレットやサイコロと同じで、運が絡んだギャンブルということになります。
投資とギャンブルは心理的構造が全く違うでも述べたように、投資をギャンブルと混同してしまっては勝てません。
誰かが得をすれば誰かが損をしている
株式市場での取引(短期間での)は、誰かが得をすると誰かが損をしています。
この状況をゼロサムゲームといい、市場参加者の損得を合計するとゼロになります。
結果的に短期売買とはギャンブルであり、損をするか得をするかはイーブン・チャンスの危険なものです。
しかも、そのギャンブルの対戦相手が短期売買のスペシャリストである機関投資家(アクティブ・ファンド)であるとすれば、勝てる確率は非常に低くなります。
長期の株式投資ではゼロサムゲームにならない
ここまでは、短期売買(投資)は勝てる確率が非常に低く、誰かが得をすれば誰かが損をするゼロサムゲームになると述べましたが、株式の長期投資では、これが当てはまりません。
それは、株式市場は拡大するからです。
長い期間をかけて株式市場は少しずつ拡大する
短期売買ではゼロサムゲームになってしまう理由は、株式市場は長い期間をかけてゆっくりと拡大するので、短期売買では拡大する前に取引が終わってしまうからです。
世界の株式市場は金融危機などで一時的な縮小はありますが、長期で見ると拡大しています。
日本の株式を例で見ると、1989年末に史上最高値(3万8915円)をつけた後、バブルは崩壊(市場収縮)し、その後緩やかに市場は拡大していき、2015年6月に、その異常なバブル時の時価総額を超えました。
株価は2万円程度だったのですが、市場は拡大しているので、全体の時価総額はバブル期を超えたのです。
外国為替取引(FX)は長期的に投資をしてもゼロサムゲームまま
株式投資と同じく代表的な投資である外国為替取引(FX)は、株式市場とは違い、長期的に見ても拡大しません。
外国為替取引(FX)はお金の取引ですので、世界中の通貨の価値が全て上昇すること、例えば、円高/ドル高にはなりません。
逆に言えば、世界中の通貨の価値が下落することもありません。
まとめ
- 短期売買で株式投資をしている人の90%は負けている
短期売買の手法は損を抱えてしまい長続きしない - ランダムウォークする法則性がない株価を予測するのは不可能
株式市場の価格を決めているのは機関投資家
機関投資家(アクティブ・ファンド)相手の短期売買はギャンブルと同じ
誰かが得をすれば誰かが損をしている - 長期の株式投資ではゼロサムゲームにならない
長い期間をかけて株式市場は少しずつ拡大する - 外国為替取引(FX)は長期的に投資をしてもゼロサムゲームのまま