FXの税金の基本と節税方法・実は株式投資と損益通算できる
以前ご紹介した通り
株式投資で利益が出た場合税金がかかります。
そして、株式投資と並ぶほどの人気の投資『FX』でも、利益が出ると税金がかかります。
株式投資のように、口座の種類が別れていたり、課税の分類が別れていたりはしませんが、『FX』では取引に係る費用を経費にできたりなど、確定申告をしっかりとすることで節税できたりもします。
今回は、『FX』の税金の概要や節税方法などをご紹介いたします。
FXはレバレッジをかけれることで少ない資金で大きな取引ができる
FXとは、外国為替証拠金取引のことで、英語名ですとForeign Exchangeと言います。
FX業者に預けた証拠金を担保に、証拠金の一定倍の外国為替取引を行うことができる取引であることも特徴です。
例えば10万円の証拠金を入れれば、250万円ほどの取引が可能になります。
これは少ない資金を元手に大きな取引(レバレッジ)ができます。
成功すれば利益が大きいので個人投資家に人気があります。
そしてこのFXには、取引所取引と店頭取引の取引があります。
取引所取引にはクリック365と大証FXがあり、店頭取引は取引場を挟まず投資家が直接取引します。
FXは源泉徴収ありなしの制度はなく確定申告が必要
FXは源泉徴収の制度がなく、利益が出た場合は原則として確定申告が必要です。
そして利益にかかる税金は、税率20.315%です。
ですが給与所得者や年金生活者のFXでの利益が年間20万円以下ですと申告は必要ありません。
また損失が出た場合ですと、確定申告は必要ありませんが株と同じように損失の繰越控除制度があります。
それを行うには確定申告が必要です。
決算損益とスワップポイントの合計がFXの利益となる
FXの利益は決済損益とスワップポイントの合計額が利益になります。
決済損益は例えば、ドル買いから取引を始めるとすると反対売買をしてドルを売るとポジションが手仕舞いになります。
ドルの買値より売値の方が上回っていればプラスになります。
逆にドルの買値より売値の方が下回っていればマイナスになります。
スワップポイントとは通貨の金利差
スワップポイントとは、買った通貨の金利と売った通貨の金利の差のことです。
それの水準は毎日更新されていたり、FX業者によって変わります。
高金利通貨を買って、翌日以降にポジションを繰り越すとスワップポイントが高くなり(受取り)、逆に低金利通貨を買って翌日以降にポジションを繰り越すとをスワップポイントが低くなり(支払い)ます。
例えば1ドルが100円の時に1万ドルを買ったとしたら、投資家からすれば1万ドルを運用していることになります。
ですが1万ドルを買うには100万円になるため100万円を借りなければなりません。
その買う通貨と売る通貨の金利差がスワップポイントです。
FXで得た利益は雑所得として分類され経費が認められる
FXによって得た利益は雑所得に分類され、株式投資で得た利益とは所得の分類が異なります。
雑所得とは、全部の分類のうちいずれも該当しない所得が該当します。
そして雑所得の計算ですが、事業所得に似ています。
それは利益から経費を差し引くことができ、この経費をしっかりと確定申告することで節税できます。
経費に計上できる4つの費用
- パソコン代
FX専用のパソコンを購入すれば経費にすることができます。使用時間などをしっかり計算し、経費に計上します。 - 通信費
これもパソコンと同じでFXの取引に使用した通信費は経費に計上します。 - 研究費
FXの研究のために購入した書籍や雑誌などは経費になりますが、新聞はFX専門であれば問題はないですが一般紙はダメです。
またFXの研修などの参加した費用も経費になります。 - システムトレード費用
これは外国などの為替市場は24時間開いており、相場も常に変動しています。
それをFXの取引のために24時間も相場を見ることはできないので注文をしてシステムに任せることをシステムトレードと言います。
そのシステムトレードにかかった費用も経費になります。
FXで出した損失は3年間繰り越すことができる
FXで年間トータルがマイナスになった場合は上場株式と同じで3年間繰り越すことができます。
そして繰り越した損失は翌年に雑所得と通算できます。
FXでの繰越譲渡損失の通算の流れは、翌年以降に雑所得がプラスになった場合は繰り越した損失を控除します。
そして3年目に使い切れなかった残額は切り捨てられ使うことができません。
FXの損益と株式投資の損益は通算できない
FX(雑所得)がマイナスの場合は、株式投資の譲渡所得のプラスとは通算できません。
FX(雑所得)のプラスと株式投資の譲渡所得のマイナスも通算できません。
繰越控除を行うには提出しないといけない書類がある
繰越控除を行うには、先物取引に関わる雑所得の金額の計算明細書と申告書付表を確定申告書に添付しなければなりません。
また、前年に繰越控除を行い、次の年にFXをしなかったとしても翌年の繰越控除適用のために、確定申告を出すようにしましょう。
FXは申告分離課税となり給与所得などとは切り離して課税される
FXの所得は、申告分離課税で課税されます。
申告分離課税とは、給与所得などの総合課税と他の所得を切り離して、分離した所得の単体で税金を計算します。
ですがFXは同じ申告分離課税と株式の譲渡所得は別(損益通算できない)に税金を計算します。
デリバティブ取引とFXは損益通算できる
FXと同じように、雑所得+申告分離課税にできるのは、CFD、先物取引、オプション取引、カバード・ワラント(厳密にはデリバティブ取引ではない)などのデリバティブ取引です。
例えばFXで損失が出ましたが、先物取引で利益が出ましたら損益を通算することができます。
雑所得と申告分離課税について確定申告する場合は、繰越控除と同じく、先物取引に関わる雑所得等の金額の計算明細書を確定申告書に添付する必要があります。
営利目的で短期売買を繰り返すと事業所得となる場合がある
会社員の方や主婦の方など一般の方のFXによる所得は雑所得になりますが、営利目的で短期売買を繰り返す場合は事務所得に該当する場合があります。
事務所得であっても申告分離課税となります。
FXをメインでするならデリバティブ取引を利用した株式投資で節税できる
あまり有名ではないのですが、CFD、オプション取引、カバード・ワラントからも株式投資ができます。
上記でも述べたように、現物取引と信用取引での株式投資はFXと損益通算できませんが、CFD、オプション取引、カバード・ワラントからの株式投資はFXと損益通算できます。
すなわち、FXをメインで取引をしつつ株式投資もしたい場合は、デリバティブ取引での株式取引をすれば、それらの取引で損益通算ができることになります。
例えば、FXでの利益が100万円あり、株式取引(現物取引と信用取引)での損失が100万円あった場合は損益通算できず、FXの税金を約20万円支払い、株式取引(現物取引と信用取引)の損失を繰り越す形になります。
しかし、デリバティブ取引での株式取引で損失を出してしまったとしたら、それをFXでの利益と損益通算できますので、税金を0円にすることが可能なのです。
まとめ
- FXはレバレッジをかけれることで少ない資金で大きな取引ができる
- FXは源泉徴収ありなしの制度はなく確定申告が必要
- 決算損益とスワップポイントの合計がFXの利益となる
スワップポイントとは通貨の金利差 - FXで得た利益は雑所得として分類され経費が認められる
経費に計上できる費用は4つある - FXで出した損失は3年間繰り越すことができる
FXの損益と株式投資の損益は通算できない
繰越控除を行うには提出しないといけない書類がある - FXは申告分離課税となり給与所得などとは切り離して課税される
デリバティブ取引とFXは損益通算できる
営利目的で短期売買を繰り返すと事業所得となる場合がある - FXをメインでするならデリバティブ取引を利用した株式投資で節税できる