バブルの発生と崩壊の仕組み『信用創造と信用収縮』
バブルと崩壊の一例として、長期のテクノロジー株指数に近い値動きを確認できるチャートです。
バブルは、単に価格が上がることではありません。
価格上昇を前提に、お金を借り、さらに投資を増やし、その投資がまた価格を押し上げる。この循環が強くなりすぎた状態がバブルです。
その中心にあるのが、信用創造です。
信用創造がバブルを膨らませる
信用創造とは、銀行融資や信用取引を通じて、経済の中で使えるお金が増えていく仕組みです。
住宅ローンが増えれば、不動産を買える人が増えます。不動産を買える人が増えれば、不動産価格は上がりやすくなります。不動産価格が上がると、担保価値が上がり、さらに融資が増えます。
この循環が続くと、実体経済の成長以上に資産価格が上がります。
株式市場でも同じです。信用取引、レバレッジ、投資信託、デリバティブ、低金利による資金流入が重なると、株価は大きく上がります。
バブルの時はリスクが見えにくくなる
バブルの上昇局面では、多くの人が強気になります。
価格が上がっている間は、借金をして投資した人ほど大きな利益を得ます。その成功例が広がると、さらに多くの人が同じ行動を取ります。
この時、リスクは消えたように見えます。
しかし、実際にはリスクが見えにくくなっているだけです。借入が増え、価格が上がり、楽観が広がるほど、下落時の反動は大きくなります。
信用収縮がバブルを崩壊させる
バブル崩壊は、信用収縮によって起きます。
資産価格が下がると、担保価値が下がります。担保価値が下がると、銀行は融資に慎重になります。投資家は追加担保を求められ、資産を売らざるを得なくなります。
売りが出ると、価格はさらに下がります。
この循環が、信用収縮です。
信用創造がバブルを膨らませるなら、信用収縮はバブルを一気にしぼませます。
長期投資家がバブルから学ぶべきこと
バブルから学ぶべきことは、上昇相場を否定することではありません。
重要なのは、価格上昇の裏側に何があるかを見ることです。
1. 値上がり理由が借入に依存していないか
借金による買いが増えている市場は、下落時に売りが強制されやすくなります。
2. 価格上昇が利益成長を超えていないか
企業利益や家賃収入を大きく超えて価格が上がる場合、期待が先行している可能性があります。
3. 皆が同じ前提で投資していないか
「不動産は下がらない」「この技術はすべてを変える」「中央銀行が必ず助ける」という共通認識は、バブルの温床になります。
まとめ
バブルは、信用創造によって膨らみ、信用収縮によって崩壊します。
価格が上がっている時ほど、リスクは見えにくくなります。しかし、借入、レバレッジ、楽観が積み上がった市場ほど、下落時の反動は大きくなります。
10年後も使える投資の考え方として、バブルを見る時は「何が上がっているか」よりも、「どの信用によって上がっているか」を見ることが重要です。