ウォーレン・バフェットが勧める高利回りの長期投資法『フォーカス投資の基本』

ウォーレン・バフェットが勧める高利回りの長期投資法『フォーカス投資の基本』

フォーカス投資は驚くほどシンプルですが、シンプルな考え方ほど、複雑に絡み合った基礎の上に成り立っています。

フォーカス投資の基本を詳しく見ていきますが、それによってポートフォリオ管理の新しい考え方が生まれるのではないかと思います。

ただし、この新しい考え方は、多くの投資家の方が株式投資について語られてきたこととは正反対になることが予想されることを最初に言っておきたいです。

アクティブ投資とインデックス投資この2つの戦略が主導権争いをしている

アクティブ投資を行うファンドマネージャーは、大量の株式を常に売買しています。そうやって顧客を満足させていないと、顧客を失い、自分が失業するリスクがあります。

トップの座を維持するために、彼らは今後2、3ヶ月の株式市場を予想して、次の四半期が終了した時に良いポートフォリオだと顧客が満足するように励みます。

インデックス投資はその逆で、バイ・アンド・ホールド(長期投資)です

S&P500などのベンチマークとなる指標を採り上げ、それと連動するように幅広く分散したポートフォリオを構築し、保有します。

 

2つの投資法に共通するのは分散投資をしていること

アクティブ投資のマネージャーは、自分たちの優れた銘柄選択能力によって、どのインデックスよりも上手くやれると主張しています。

一方、インデックス・ストラテジスト(株式などの管理や提供を行う人)は過去の実績を見れば、自分たちが優れていると言います。

1980年から2011年までの各年においてS&P500を上回ったのは、大規模な投資信託のうち41%だけでした。

どちらの戦略も共通する部分があります。それは分散投資をすることでリスクを小さくしようとしている点です。

多数の産業にわたって数多くの株式を保有し、1つのセクターだけに投資して、そこがおかしくなった時に大きな被害を受けないことを、投資家は期待します。

通常、分散投資した株式の一部が下がっても、他に上がる株式もあるので、上がった分で落ちたものを補うことを期待します。

アクティブなマネージャーは、ポートフォリオに大量の株式を仕込み、このリスクを回避しようとします。ポートフォリオを構成する株式が多ければ多いほど、上手くいくチャンスは増えると考えています。

一方、インデックスファンドはその定義から考えて、目標とするインデックスが分散していれば、同様に分散されているはずです。典型的な株式投資信託も100を超える銘柄を保有してリスクを分散しています。

 

分散投資は高いリターンを生み出せない

分散投資には一つ問題があります。それは、分散投資は安全で低リスク(株価変動が低い)であることと同時に、投資成績があまりよくないのです。

アクティブ投資もインデックス投資も、分散は実現するものの、一般的に高いリターンを生み出すことはありません

 

ウォーレン・バフェットはこの2つの投資法の中から選ぶならインデックス投資を勧める

ウォーレン・バフェットがアクティブ投資かインデックス投資かと問われれば、ためらうことなくインデックス投資を選びます。

リスクを取れない投資家や、ビジネスの定量面に暗いけれども株式投資で長期的に利益を得たい人にとって最も適しているからです。

定期的にインデックスファンドに投資すれば、何の知識もない投資家でも、多くのプロよりよい成績を上げられる」とウォーレン・バフェットは説明しています。

 

ウォーレン・バフェットが実践しているのはフォーカス投資

しかし、ウォーレン・バフェットが実践しているのは、インデックスを上回る確率がぐっと高くまる、まったく別の種類のアクティブポートフォリオ戦略であるフォーカス投資です。

フォーカス投資とは、長期的に平均以上のリターンを生み出しそうな少数の銘柄を選び、投資資金の大部分をそこに集中させ、短期的な市場の上げ下げの中でも断固として保有し続けることです。

以前お伝えした

に忠実に従えば、フォーカス投資に適した優良企業が浮かび上がってきます。

選ばれた企業は長期的に優れた実績を持ち、経営が安定していて、過去と同様によい実績を将来も継続する可能性が高いのです。フォーカス投資の中心となる部分はここにあります。

平均以上の成績を上げる確率が最も高い企業に、投資を集中するのです。

 

ある程度の知識がある投資家はフォーカス投資をするのが最も上手く資産運用できる

あまり知識を持たず、株式投資にあまり時間をかけたくない投資家はインデックスファンドに投資をするべきだとウォーレン・バフェットは述べています。

あなたが投資についてある程度の知識があり、ビジネスの数字を理解でき、長期的にビジネスの優位性を持ちながら株価が割安な企業を5〜10社選び出せるなら、従来型の分散投資は無意味である。

ともウォーレン・バフェットは述べています。

従来型の分散投資は、よく知らない企業に投資する可能性が非常に高まります。

ある程度の知識がある投資家が、ウォーレン・バフェットの原則を使ってごく少数の企業に集中していれば、もっと上手く運用できます。

 

フォーカス投資の株式保有期間は5年を目安にする

フォーカス投資は、あらゆるアクティブ投資戦略の中で、長期にわたってインデックスのリターンを上回る可能性が最も高いものですが、他の手法の方がよさそうな時でも辛抱強くポートフォリオを維持することが求められます。

短期的には、金利やインフレーション、あるいは企業収益の当面の見通しが株価を動かすことがあります。

しかし、対象期間が長くなるほど、事業の動向が株価に大きな影響を与えるようになります。

では、最適な保有期間はどれだけかと言いますと、絶対的なルールはありませんが、ウォーレン・バフェットは5年を目安にしています。バークシャー・ハサウェイの実績を論じるときは、5年間で見ています。

また、一度も売らないことを目指すのではありません。売らないと決めてしまうと、良いものが現れた時にチャンスをつかみ損ねるからです。

経験則としては、回転率10〜20%です。つまり、5〜10年間は保有するのを目標にします。

 

フォーカス投資を成功させるためには市場の動向や株価変動に耐えなければいけない

フォーカス投資が目指すのは、平均を上回る成果です。学術的研究と実務の両面から見ても、よく考えて行えばフォーカス投資が成功することは明らかです。

しかし、フォーカス投資では、価格変動の幅が大きくなるというやむを得ない難点があるため、道のりは平坦ではありません。

フォーカス投資家になれば、そのデコボコに耐える力が必要になります。長期的に考えれば、企業の業績の強さが短期的な価格変動を補って余りあることを知っているから、耐えられるのです。

市場の動向や株価変動に耐える力を身につけることはある程度可能です。

それには、自分の考え方や行動を変えようという決意が必要です。

習慣や考え方を新たに身につけるのは一夜にしてできることではありませんが、徐々に自分を訓練して、パニックに陥ることや市場の気まぐれに慌てて反応することのないように鍛えることは十分に可能です。

 

まとめ

  • アクティブ投資とインデックス投資この2つの戦略が主導権争いをしている
  • 2つの投資法に共通するのは分散投資をしていること
  • 分散投資は高いリターンを生み出せない
  • ウォーレン・バフェットはこの2つの投資法の中から選ぶならインデックス投資を勧める
  • ウォーレン・バフェットが実践しているのはフォーカス投資
  • ある程度の知識がある投資家はフォーカス投資をするのが最も上手く資産運用できる
  • フォーカス投資の株式保有期間は5年を目安にする
  • フォーカス投資を成功させるためには市場の動向や株価変動に耐えなければいけない

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