本当はお金に価値なんてない?小学生でもわかるお金と銀行の誕生秘話『紙幣の誕生でお金の全てが変わる』
当たり前のように、私たちが使っているお金。
お金が無ければ生きていくことができないほど、私たちの生活に無くてはならない存在です。
ところで、そのお金という存在はどのようにして誕生したのでしょうか?
お金とは切っても切れない関係である銀行も、どのようにして誕生したのでしょうか?
そこで今回は、どなたでもわかりやすいように、物語形式(実話)でお金の誕生と銀行の誕生の起源となった出来事を見ていきます。
その昔お金は紙やコインではなく加工しやすい金と銀だった
はるか昔に溯ると現代の様に紙幣や貨幣などはなく、いろいろな物がお金として使われてきました。
気軽に持ち運びができ尚且つ、人々が『十分に価値のあるモノ』と認めたモノでなければなりませんでした。
貝や綺麗な石または鳥の羽などが持ち運びやすく、人々が価値のあると分かりやすいため、お金として使われていたのです。
その中でも一番重宝されていたのは金と銀です。
金と銀はとても柔らかく簡単に加工できるためとても便利で、瞬く間に他の地域にも広がり、人々は金と銀をお金として使い始めたのです。
すると、その便利な金と銀の価値を標準化された単位にするため、金と銀を加工する専門家が誕生しました。
その専門家によってコイン状に加工された、金と銀の重さと純度が標準的な価値として認められ、そこで初めて貨幣が生まれたのでした。
金属職人ゴールドマンのずる賢い発想から紙幣が生まれた物語
金や銀を加工する専門家の中にゴールドマン(仮名)という凄腕の金属職人がいました。
その時代、金属職人は給料が良く、いち早く金属加工の仕事を始めたゴールドマンは、たくさんの金を持っていたのです。
ゴールドマンは大量に貯めた金を泥棒などから守るために門番付きの巨大な金庫を用意したのです。
すると、金をたくさん貯めていた仲間たちも「俺も一緒に保管させてくれ」と頼みに来ました。
その預けさせてもらった仲間たちの仲間も噂を聞きつけ「俺も俺も」と様々な人がゴールドマンを訪ねてくるようになり、金庫がいっぱいになっては新しい金庫を作り、それがまたいっぱいになっては新しい金庫を作りと、金庫をもっとたくさん作り、ゴールドマンは金庫貸しの仕事を始めたのでした。
その金庫貸し事業は大成功し、ゴールドマンの金庫は金でいっぱいになりました。
紙幣とは金の預り証に金額を書いた紙きれ
とある日、ゴールドマンはずる賢い発想を思いついたのです。
「金を預けている人達は手元にもたくさんの金を持っていて、金庫の中の金を使わないじゃないか」
「その人たちが一度に全ての金を取りにも来ることもないし、金庫の中が空になることなんてありえない」
そう考えたゴールドマンは、金を預かる時に渡していた預り証に決算機能を与え、その預り証があたかもお金そのものであるように街に流通させたのです。
この紙(預り証)のお金は、かさばるコインよりとても便利でした。
わざわざ支払いの時に重さや純度などを計る必要もなく、その紙(預り証)に金額を書き入れるだけでいいのですから、街じゅうの人がその紙のお金を使い始めたのでした。
これが紙幣の誕生です。
銀行の起源は利息をつけて金を貸し出すというビジネスから始まりました
紙幣というシステムを開発したゴールドマンは、紙幣を発行すると同時に、もっとずる賢いビジネスを始めていました。
それは利息をつけて金を貸し出す(金貸し)というビジネスです。
ゴールドマンが開発した紙幣(紙のお金)はとても便利で画期的、当然全ての人々に受け入れられるようになりました。
そうなると、
「金を預けている人達は手元にもたくさんの金を持っていて、金庫の中の金を使わないじゃないか」
「その人たちが一度に全ての金を取りにも来ることもないし、金庫の中が空になることなんてありえない」
と思っているゴールドマンは、お金(紙幣)を自由に生み出せる魔法使いのような存在なのです。
- ゴールドマンはお金をじゃんじゃん作り出す(紙に金額を書くだけ)
- それを様々な人に貸し出す
- 利息をつけて返してもらう
- その利息つきで返したもらったお金をまた利息つきで貸し出す
これを繰り返すと、人々はもっとたくさんゴールドマンにお金を借りに来るのです。
たちまち町中にお金が溢れかえり、ゴールドマンは金属加工職人から金庫貸しになり、金庫貸しから金貸しになりました。
今見れば、とても単純でバカバカしい話かもしれませんが、これが銀行の起源なのです。
さらにほかの仲間に金を貸し金貸しをさせた
さらに、ずる賢いゴールドマンは、個人相手にお金を貸していたのでは面倒だと思い、仲間に
「お前たちも金貸しと紙幣の発行をやらないか?」
と持ちかけ、ゴールドマンは金貸しにお金を貸し出し始めたのです。
町中には金貸しがたくさんでき、隣町にも、その隣町にもと、このシステムは町を飛び出し様々な地域に広がっていきました。
銀行の起源となった詐欺のようなシステムは崩壊する
金の量を上回るほどの紙幣の量が出回っている現状に、町の人々は疑いを持ち始めました。
「ゴールドマンやその仲間の金貸したちは本当に金を持っているのだろうか?」
初めのうちは金と紙幣の量の差がそこまで大きくなく、人々を納得させれるだけの金は金庫に入っていたので(お金を借りない人々からはちゃんと金と紙幣を交換していたため)バレずに済んでいました。
金庫の中の金と紙幣の量の差が開けば開くほど人々は疑いを持つのですが、その分金庫の中の金も増えていたので事なきを得ていましたが、しかし、そんな詐欺のようなシステムが長くは続きませんでした。
人々の不安と噂だけでゴールドマンのシステムは崩壊してしまう
ついにゴールドマンが開発したシステムは崩壊してしまうのです。
何故か?
それは人々の噂です。
人々が疑いを持っていても実際に紙幣と金を交換する人はいませんでした。
ゴールドマンの開発した紙幣は、もはや金より価値のないモノと人々は無意識に思っていて、金では何も買えず、紙幣しか受け付けてもらえないぐらい流通していました。
しかし、人々にとって本当に価値のあるモノは金なのです。
ある日、一人の男性が紙幣と金を交換しにゴールドマンを訪ねてきました。
当たり前のように金と紙幣を交換しに来ていた人がその光景に唖然としたのです。
「もしかして、金に何かあるのではないか?」
金と紙幣を交換するだけの光景が、それを見た人には不安に感じてしまい、そんな根拠もない思い込みが人々に伝染し、噂が噂を呼び、瞬く間に町中の人々に広がりました。
いつの時代も悪い噂はあっとゆう間に広がるのです。
ましてや、自分の預けていた大事な金を失うかもしれないのですから。
人々はゴールドマンたちが発行した紙幣を握りしめて殺到しました。
ゲームエンドです。
ゴールドマンたちはもちろん紙幣に見合った金を持っていません。
これにより、銀行のシステムは崩壊したのでした。
嘘かと思うかもしれませんが同じようなことが実際に日本でも起きたことがあります
詳細は上記をクリックしてください。
これは銀行の取り付け騒ぎと呼ばれ、世界中のすべての銀行が恐れていることです。
銀行の起源となったシステムは法律で管理され本物の銀行として復活します
ゴールドマンが開発したシステムである、紙幣と金貸しは画期的で町中を発展させたのは事実です。
こんな画期的で素晴らしいシステムを、国が放っておくわけがありません。
ゴールドマンたちが破綻した時にはすでに、銀行のシステムは一つの国を動かすほどに広がっていたのです。
しかし、金の量に見合うだけの紙幣しか発行できないのでは、そこまで画期的ではありません。
そこで国の偉い人たちは考えました。
銀行は法律で管理し、自由に紙幣を発行できるようにしよう
これが本物の銀行の誕生なのです。
細かいことを除くと、ゴールドマンが開発した銀行のシステムと現代の銀行の違いは一つだけです。
それは、法律があること。
銀行を政府が管理することでお金の基本的な性質が変わった
時は経ち、政府が管理されることになった銀行は、中央銀行と呼ばれ、それに支えられて銀行ネットワークの準備預金制度は世界的に広がりました。
同時に、お金に対する金庫にあるはずの金の裏づけの割合は着実にしぼんでゆきました。
お金の基本的な性質が変わったのです。
その昔は、金がお金の価値を表していたのですが、現在は負債を意味します。
ゴールドマンの時代においては紙幣は金銀に交換できる引換券でした。
現在では、紙幣あるいは銀行口座の数字であるお金は、単に他の紙幣及び数字のお金に交換できるものでしかありません。
ゴールドマンの時代は、個人的に作られた受領証での支払いを、私たちが受け取ることを拒否できたように、人々が受け取り拒否できる形で民間の銀行の紙幣が存在しました。
現在では、民間銀行が作ったお金が政府の認める合法的な不換紙幣となっています。
法定通貨は政府によって作られます。
法律では、市民がこの法定通貨を受け入れなければならないと言明しており、このお金を使わないと裁判所は助けてくれませんし、生きていけません。
お金とは紙幣や貨幣が全てではない
お金は全て政府によって作られていると思っている人が多いと思います。
大まかに言うと合っていますが、それは事実の一端にすぎません。
実際、目に見えるお金である紙幣や貨幣は、造弊局(紙幣や貨幣を製造している所)で生産されています。
しかし、世の中に出回っている大半のお金は紙幣や貨幣ではありません。
それはどういう事なのか?
お金とはコンピューターで管理されている数字であり目に見える物体ではない
世の中に出回っているお金の大半は目に見えません。
もっと噛み砕いて言うと、お金とはほとんどが目に見える『物体』ではないのです。
私たちが、お金と聞いて思い浮かべるのは紙幣や貨幣ですが、それはお金と呼ばれている全体のほんの一部でしかなく、その大半は、ただコンピューターで管理されている数字でしかないのです。
このことを誰かに話すと
「何を言っているんだ。私は銀行にちゃんと貯金をしていて、いつでも目に見えるお金を引き出せるぞ。」
と言われます。
確かにそれは間違いではないのですが、私たちが毎月銀行に預けているお金と、毎月銀行から紙幣や貨幣を引き出して使っているお金とどっちが多いでしょうか?
例えば、現在銀行に預けている貯金が100万円あったとします。
毎月の給料が30万円で、生活費などを毎月全て今財布や家にある現金で支払っているとしましょう。
給料日当日になると、銀行に入っている貯金額は130万円になります。
そこからまた現金をおろし、生活費などを全て現金で支払っても、ほとんどの人が銀行口座に貯金を残したまま、次の給料日を迎えるはずです。
このことだけでも、お金とはコンピューターで管理されている数字と言えるのではないでしょうか?
いくら貯金があったからといって、それは紙幣や貨幣ではなく、ただの数字なのです。
もし銀行に預けられている貯金が一斉に全額おろされると銀行は破産する
もし、貯金がある日本国民が、全員一斉に銀行からお金を引き出したとします。
どうなると思いますか?
結論から言うと、銀行は預かっている金額以上のお金を持っていないので破産するか、強制的に窓口やATMを閉めてしまうでしょう。
これは信じがたいことなのですが、事実です。
まとめ
- その昔お金は紙やコインではなく加工しやすい金と銀だった
金属職人ゴールドマン(仮名)のずる賢い発想から紙幣が生まれた物語
紙幣とは金の預り証に金額を書いた紙きれ - 銀行の起源は利息をつけて金を貸し出すというビジネスから始まりました
さらにほかの仲間に金を貸し金貸しをさせた - 銀行の起源となったシステムの崩壊の足音
人々の不安と噂だけでゴールドマンのシステムは崩壊してしまう
嘘かと思うかもしれませんが同じようなことが実際に日本でも起きたことがあります - 銀行の起源となったシステムは法律で管理され本物の銀行として復活します
銀行を政府が管理することでお金の基本的な性質が変わった - お金とは紙幣や貨幣が全てではない
お金とはコンピューターで管理されている数字であり目に見える物体ではない
もし銀行に預けられている貯金が一斉に全額おろされると銀行は破産する