先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書と確定申告書付表の書き方(確定申告用)
FX、CDF、先物取引、オプション取引、カバード・ワラント取引での雑所得(申告分離課税)に分類される取引があった場合、どのような申告書を作成し、確定申告を行うかを説明します。
なお、今回は、FX取引を例に説明しますが、他の雑所得(申告分離課税)での申告も手順は同じです。
FX取引(雑所得)で利益があったら雑所得等の計算書を提出する
FX取引(雑所得)で20万円以上の利益があった場合は、確定申告が必要です。
その確定申告では以下の書類を税務署に提出します。
- 所得税の申告書B(第一表・第二表)
- 所得税の申告書(分離課税用)
- 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
損失の申告には確定申告書付表を加えて提出する
損失の申告には、利益が出たときの書類に加えて、確定申告書付表(先物取引に係る損失繰越用)も提出します。
先物取引に係る雑所得等の金額の計算書の書き方
FXの損益の申告には、まず、先物取引に係る雑所得等の金額の計算書を作成します。
例えば、利益が50万円だとすると、まず始めに取引の内容の欄に記入していきます。
- 取引の種類を記入します。(今回はFXなので、為替証拠金米ドル/円などと記入します。)
- 決算年月日を記入します。
- 数量(100枚など)を記入します。
- 決算の方法(転売など)を記入します。
先物取引など、FX以外に取引があれば、Bの列やCの列に追加して記入していきます。
次に、総収入金額の(1)差金等決算に係る利益又は損失の額の欄に、今回の利益である50万円を記入します。
※実際の金額は、FX業者から年間取引報告書などを見て、年間取引合計額を記入します。
必要経費等の欄には、当てはまるものがあれば記載してください。
※必要経費となる項目は、経費に計上できる4つの費用をご覧ください。
そして最後に、12の所得金額の欄には、50万円(経費がなければ)と記載し、これが最終的なFXの雑所得金額になります。
確定申告書付表(先物取引に係る損失繰越用)の書き方
FXなどの雑所得に分類される取引で、損失が発生してしまった場合、確定申告書付表(先物取引に係る損失繰越用)を作成し、提出します。
上記は、25万円の損失を出してしまった場合の記載例です。
- 先物取引に係る雑所得等の金額の欄に、△25万円と記入します。
※△は赤字を意味します。 - 翌年以後に繰り越される先物取引に係る損失の計算の欄に、3年前〜前年までの繰り越された金額を記入します。
※記載例は3年前から25万円を繰り越している場合なので、本年で初めて申告する場合はCの12に△25万円を記入します。 - 翌年以後に繰り越される雑損失の計算の欄に、前年分まで引ききれなかった雑損失があれば記入します。
※記載例は引ききれなかった雑損失がなかったので空白です。 - 先物取引に係る雑所得等の金額の差引金額または損失額の欄に、△を抜いて25万円と記入します。
- (26)に最終的に翌年以後に繰り越される金額25万円を記入します。
ここまでの書類をダウンロード
計算明細書などは税務署で配布されていたり、国税庁のホームページからでも入手することができます。
その他株式投資やFXでの確定申告に必要な申告書の書き方
もし、どうしても申告書の作成が難しい、もっと簡単に申告したい。という方はこちらのe-Taxから申請書を作成すると便利です。それでも詳しい内容は把握しておきましょう。