債券投資によるリスク分散が拡大することで大規模な金融危機を引き起こす
分散投資は、投資の基本です。しかし、金融商品が複雑になりすぎると、分散によってリスクが消えるのではなく、リスクの所在が見えにくくなることがあります。サブプライムローン問題からリーマンショックへ広がった金融危機は、その典型例でした。
債券リスクを見るための参考チャート
下のチャートは米10年国債利回りです。債券価格は金利と逆方向に動きます。金利が上がる局面では、債券や債券ファンドも損失を出すことがあります。
現在の相場を確認できる自動更新チャートです。本文の分析は執筆当時の市場環境に基づくため、最新チャートとあわせてご確認ください。
分散でリスクが消えるわけではない
複数の債券を組み合わせれば、一つの債券が破綻しても損失を抑えられる可能性があります。しかし、同じ原因で多くの債券が同時に悪化する場合、分散効果は弱まります。
リーマンショック前の証券化商品では、住宅ローンを束ね、格付けを分けることで安全に見える商品が作られました。しかし、住宅価格が広範囲に下落すると、前提そのものが崩れ、分散していたはずのリスクが一気に表面化しました。
格付けだけでは判断できない
債券や証券化商品の格付けは参考になりますが、絶対ではありません。格付けは過去データやモデルに基づく評価であり、想定外の相関や流動性低下までは十分に反映できないことがあります。
投資家は、格付けだけでなく、裏側にある資産、借り手、担保、金利変動、流動性を確認する必要があります。
投資家が学ぶべきこと
債券は株式より安全というイメージがありますが、金利リスク、信用リスク、為替リスク、流動性リスクがあります。特に高利回りの商品は、高い利回りの裏側に必ず何らかのリスクがあります。
分散投資は大切ですが、「何に分散しているのか」を理解することが前提です。見た目だけ分散されていても、同じリスク要因に依存していれば、危機の時には同時に下落します。