『バブルの歴史から予想する』ロボット・人工知能(AI)は次なるテクノロジーバブルを発生させるのか?
鉄道、自動車、ITなど、新しいテクノロジーをきっかけにしたバブルには、いくつかの共通点があります。長期の株価上昇、将来利益への期待、関連銘柄への資金集中、そして最終的には勝ち残る企業と淘汰される企業の分離です。
AI相場を見るための参考チャート
下のチャートは、テクノロジー株全体の流れを確認するためのNASDAQ100です。AI相場を単独で見るのではなく、ITバブル、金融緩和相場、コロナ後の成長株相場とつなげて見ると、期待と金利が株価に与える影響が見えやすくなります。
現在の相場を確認できる自動更新チャートです。本文の分析は執筆当時の市場環境に基づくため、最新チャートとあわせてご確認ください。
AI関連の代表的な参考チャート
AI相場では、半導体と計算資源への需要が大きなテーマになりました。下のチャートは、AIインフラ投資の中心的な銘柄の一つとして見られてきたNVIDIAです。個別銘柄の推奨ではなく、AI投資テーマの熱量を見る参考として掲載しています。
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テクノロジーバブルはなぜ起こるのか
新しいテクノロジーは、将来の利益を現在の株価に先取りさせます。投資家は「この技術が社会を変える」と考えると、現在の売上や利益よりも、将来の市場規模を重視するようになります。
この考え方自体は間違いではありません。実際に、鉄道、自動車、インターネット、スマートフォンは社会を大きく変えました。しかし、技術が本物であることと、その時点の株価が妥当であることは別の問題です。
AIは本物の技術だが、すべてのAI関連株が勝つわけではない
AIは、検索、広告、ソフトウェア開発、製造、医療、金融、物流、デザインなど、多くの分野に影響を与えています。企業の生産性を高める可能性があり、長期的に大きな市場を作る可能性もあります。
しかし、AI関連というだけで全ての企業が利益を出せるわけではありません。計算資源への投資、電力コスト、データセンター建設、モデル開発費、人材獲得競争は非常に大きな負担です。売上が伸びても、投資負担が重すぎれば株主に残る利益は限られます。
AI相場で見るべきポイント
AI関連企業を見る時は、少なくとも三つの点を分けて考える必要があります。
第一に、その企業がAIによって本当に利益率を高められるかどうかです。第二に、競争優位性が一時的なものではなく、データ、顧客基盤、半導体、クラウド、ソフトウェアのどこかで持続するかどうかです。第三に、設備投資と研究開発費を回収できるだけの収益モデルがあるかどうかです。
AI相場では、売上成長だけでなく、キャッシュフローと投資負担を見ることが非常に重要です。
データセンターと電力が新しい制約になる
AIはソフトウェアの話だけでは終わりません。大規模なAIモデルを動かすには、半導体、データセンター、電力、冷却設備、送電網が必要です。IEAも、データセンターの電力需要が2030年に向けて大きく増えると見ています。
つまり、AI相場では、半導体企業だけでなく、電力、インフラ、冷却、データセンター運営、クラウド事業者も重要な役割を持ちます。一方で、電力不足や建設コストの上昇は、AI投資の制約にもなります。
投資家が学ぶべきこと
AIは長期的に大きな産業になる可能性があります。しかし、テクノロジーバブルの歴史が教えているのは、革命的な技術でも高すぎる株価を正当化できないことがあるという点です。
投資家は、テーマに乗るだけではなく、価格と利益の関係を見る必要があります。AIという言葉ではなく、実際に誰が利益を取り、誰がコストを負担し、誰が競争に勝ち残るのかを考えることが重要です。
鉄道、自動車、ITの歴史と同じように、AIでも最終的には本物の勝者が残るはずです。ただし、その勝者を高すぎる価格で買ってしまえば、技術の未来が正しくても投資としては失敗することがあります。