テクノロジーバブルの熱狂と幻滅を見極め投資するタイミングを考える

テクノロジーバブルの熱狂と幻滅を見極め投資するタイミングを考える

前回お伝えしたテクノロジーバブルの株価上昇期間を考え未来に起こるバブルを予測しよう 前編テクノロジーバブルの株価上昇期間を考え未来に起こるバブルを予測しよう 後編では、大まかなテクノロジーバブルの歴史や未来予測などをお伝えしましたが、今回はより実戦的に投資するにおいての注意点や株価の波を考えてみたいと思います。

次に起こるテクノロジーバブルを完璧に予測できたとしても、株価の波に飲み込まれてしまうと、大きな損失に繋がりますので、注意してみてください。

テクノロジーバブルの初期は未来の株価を過大に先取りしている

株価がバブル的な水準まで高騰しているということは、将来の利益を先取りしていると考えるのが妥当です。

これは、バブル発生初期に起こるので目にも見えやすく、この波に乗り遅れるまいと、慌てて投資をしてしまうと、大きな損失が発生してしまうので、注意が必要です。

それを見極めるために、株価が危険水準に達しているかを判断する材料があります。

 

株価収益率(PER)を見て判断する

その企業の株価が割安か割高かを判断する材料としてよく用いられる指標が、株価収益率(PER)です。

これはある企業の株価が、1株あたりの利益の何倍になっているのかを示したものです。

例えば、現在2000円の株価がついている企業の、今年の1株あたりの利益が100円だとすると、株価収益率(PER)は2000円を100円で割って、20倍と計算することができます。

この例で考えると、現在の株価は将来得ることができる20年分の利益を先取りしていると判断することができます。

仮に、この企業を丸ごと買収したとすると、買収した投資家が、その企業が生み出す利益の中から投資元本を回収するためには、20年間待たなければいけないということです。

割安の水準などの詳しい判断を知りたい人は割安株を見つけるために必要な『PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)』を見極めるをご覧ください。

 

バブル的な株価収益率(PER)の水準は50倍〜100倍以上

バブル的な株価の水準ということになると、株価収益率(PER)が50倍〜100倍以上といったところまで上昇することになります。

株価収益率(PER)が100倍ということは、100年先の利益をすでに先取りしているのです。

しかし、利益の先取りといっても、あくまでも現在の利益が続くことが前提です。

もし、利益が今後、何倍にも成長していくのであれば、実際には数十年で回収できるかもしれないのです。

ですので、株価収益率(PER)100倍の銘柄が法外な株価なのかは将来になってみないと判断できません。

 

株価収益率(PER)が100倍を超える銘柄に投資するのは危険

画期的なテクノロジーの登場によって、バブル的な株価になっている銘柄に投資する場合は、結局のところ、そのテクノロジーがうまくいくかどうかに賭ける行為と言えます。

その企業の利益が何倍にも膨らむことが絶対条件なので、短期間的に見ると、かなりの高確率で株価はその水準よりも下落すると考えることができます。

 

テクノロジーバブルは熱狂と幻滅を経て適正な株価になる

テクノロジーバブルに投資するには、投機的な方法でしか投資できないわけではありません。

完璧な投資方法はありませんが、IT分野における調査会社として有名な米ガートナーグループが、新しいテクノロジーが社会において、どのような手順を踏んで株価が推移するかについて、ある経験則を提示しています。

 

新しいテクノロジーはハイプカーブと呼ばれる波を形成する

新しいテクノロジーは、出てきた当初は期待が過剰になり、その時期を過ぎると、今度は一気に幻滅する人が増加し、最終的にはそこから回復して、安定的な普及期に入る軌跡を描くのです。

これをハイプカーブと呼んでいます。

これはあくまでも経験則で、科学的な根拠があるものではありませんが、成功した起業家など、新しいテクノロジーにチャレンジしている人の多くが、同じような状況を体験していることを考えると、信憑性はあります。

 

ITバブルを当てはめてみるとハイプカーブを描いている

新しいテクノロジーは、一気に社会から過度な期待が寄せられ、一時的に大きな山を形成します。

ただし、期待が最高潮に高まっていても、一時的な大きな山を形成している時期は、技術の普遍性はまだ高くありませんので、十分に実用性が検証されていなかったり、市場に投入されていても、非常に使いにくい状態だったりします。

ITバブル時の株価にあてはめてみると、この一時的な大きな山に合致します。

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現在と比べると、ITバブル時のインターネット環境は非常に貧弱なものでした。

ブロードバンド環境は完全には整備されておらず、ダイヤルアップと呼ばれるアナログ電話をかけてネットに接続する方式がまだ残っていた時代です。

このような貧弱な環境や不便さも重なり、ITバブル崩壊を引き起こし、過度な期待が幻滅へと変わりました。

その後、現在のように、誰もがインターネットを気軽に使う時代に突入し、ITバブル時に期待していた熱狂が現実のものとなったのです。

 

テクノロジーバブルに投資するタイミングは2つしかない

新しいテクノロジーバブルに投資し、成功するためには、投資するタイミングを間違ってはいけません。

  1. テクノロジーバブルが発生する前(熱狂前)
  2. テクノロジーバブルが崩壊した後(幻滅時)

この2つのタイミングしかありません。

一番分かりやすく陥りやすい最悪なタイミングは、人々が熱狂している最中に投資してしまうことです。

ITバブルで十分な収益を上げることができた投資家は、ITバブル前に投資を決断した人と、ITバブル崩壊後の下落局面で投資を決断した人だけなのです

 

まとめ

  • テクノロジーバブルの初期は未来の株価を過大に先取りしている
  • 株価収益率(PER)を見て判断する
  • バブル的な株価収益率(PER)の水準は50倍〜100倍以上
  • テクノロジーバブルは熱狂と幻滅を経て適正な株価になる
  • 新しいテクノロジーはハイプカーブと呼ばれる波を形成する
  • ITバブルを当てはめてみるとハイプカーブを描いている
  • テクノロジーバブルに投資するタイミングは2つしかない
    テクノロジーバブルが発生する前(熱狂前)
    テクノロジーバブルが崩壊した後(幻滅時)

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