金(ゴールド)への投資で稼ぐなら知るべき相場(価格チャート)の動き方とビットコインとの関係

金(ゴールド)への投資で稼ぐなら知るべき相場(価格チャート)の動き方とビットコインとの関係

私たちは、通貨(お金)経済の中で生活しています。

お金がなければ、投資をすることもできなくなります。

しかし、よく知られているように、現在の通貨制度の下では、お金は単なる共同幻想でしかありません。
※詳しくは、投資でお金を増やしたければ本当の意味でのお金の仕組みを知るべき。この世の全てのお金は借金であるをお読みください。

皆が価値があると考えているので、その価値が維持されるという、極めて矛盾した存在なのです。

このことに疑念を抱いている人は、金(ゴールド)中には仮想通貨であるビットコインなどを、通貨の代わりとして持っています。

では、この通貨の代わりとされる金(ゴールド)や仮想通貨であるビットコインは、どのように価格・相場は推移していたのでしょうか?

通貨に対して疑問を抱いている人がいるのなら、その通貨(米ドル)を大量に刷った金融緩和により不安が高まった頃の金(ゴールド)価格はどのように動いたのか?

金(ゴールド)価格の推移の歴史などを振り返り、未来を考えてみましょう。

金(ゴールド)の価値は通貨(米ドル)で評価される

実物資産といえば、不動産や自動車、絵画や骨董品など様々な形がありますが、その中でも最も信用されているのは金(ゴールド)です。

そのため、通貨(主に米ドル)に対する不安や信頼、株式などに対する不安や信頼によって、金の価格は大きく動きます

基本的に、株式などの金融商品や通貨(主に米ドル)の不安が増えると金は買われ価格は上がり、金融商品や通貨(主に米ドル)の信頼が増えると、金は売られ価格が下がる動きをします

 

リマーンショック後からの米ドルの不安で急騰した金(ゴールド)価格

171※参照元:hart park

金価格は2005年頃から上昇を始め、リーマンショック後の2008年に一旦下落し、2009年から米ドルの不安が増大したことから、急速に上昇スピードを加速しました。

米国の金融緩和も重なり、大量のマネーが市場に供給され、金価格の上昇をもたらしました。

しかし、米国経済の持ち直しが明確になってきた2013年頃から金価格は下落傾向になり、ピーク時には1800ドルを突破していた価格が、2015年末には1100ドル前後まで下落し、2016年現在では1300ドル前後で取引されています。

 

米国経済の先行きを考え金(ゴールド)価格の先行きを予想する

金(ゴールド)価格は米国経済と通貨制度に対する映し鏡のようなものと考えられることから、米国経済は限界に達しており、再び世界的な金融危機(過度な量的緩和などの影響など)が発生するのではないかと考えている人は、金価格が下落している時が投資のチャンスと予想しているようです。

こうした人は、米ドルを基軸通貨とする現在の金融システムに対して根強い不信感を持っており、一部は金本位制への回帰を主張しています。

 

金本位制とは金(ゴールド)の保有量に応じて通貨を発行する制度

金本位制とは、金の保有量に応じてしか通貨を発行できない仕組みですので、柔軟な金融政策を実施できず、不況になっても、その状態を放置せざるを得ないなど、現代社会では適用しにくい部分があります。

このため、金本位制に回帰する可能性は極めて低いというのが標準的な考え方なのですが、現在でも金本位制に対する支持を持つ人はいるのです。

※グリーンスパン元FRB議長が仕掛けた「金融爆弾」 ゴールド現物は投資家を救うか?

 

世界的な金融緩和などで新しい成長段階に突入したと考える人は金に対して悲観的

金本位制に対する支持を持つ人とは反面、米国経済を中心に、世界的な新しい成長段階に突入したと考えている人もおり、金の長期的な上昇トレンドは終了したと見る市場関係者も少なくありません。

こうした人たちは、金はあくまでも投資対象の一つ(通貨の信用性など関係なく)でしかなく、割安な時に買って、割高な時に売るものであると考えています。

 

物価を考慮した金価格は過去のピークを超えていない

1971年のニクソン・ショックにより、金と米ドルの兌換(だかん)が停止され、現在の管理通貨制度が始まりました。

物価を考慮しない金価格で見てみると、米ドル不安が最高潮に達した1980年の価格は、約700ドルほどで、2013年頃のピーク時1800ドルと比べてみると、1100ドル前後の上昇と見ることができますが、物価を考慮した現在価値に置き換えた1980年の金価格は、2000ドルを超えるほどと考えることができます。

172※参照元:hart park

  • 1980年ピーク時
    名目上の金価格=700ドル
    物価を考慮した金価格=2000ドル
  • 2013年ピーク時
    名目上の金価格=1800ドル
    物価を考慮した金価格=1800ドル

リーマンショック後、米ドルに対する不安が増大しましたが、歴史上もっとも金価格が上昇したのは、米ドル不安が最高潮に達した1980年と考えることができます。

 

金(ゴールド)への投資は株式のリスクヘッジとして活用できる

  • 金(ゴールド)の価値は通貨(主に米ドル)で評価される
  • 米国経済の先行きを考え金価格の先行きを予想する
  • 物価を考慮した金価格は過去のピークを超えていない

通貨(主に米ドル)への不安が金価格の上昇に繋がることは、歴史が証明しています。

1980年の米ドルへの不安は、世界を揺れ動かすほどの威力(米ドルは1970年1ドル350円から1980年1ドル175円まで動いた)で、相当な金(ゴールド)価格の上昇だったのです。

この先の未来も、金融危機などが起こる度・経済が持ち直す度に通貨の信用度が変わり、金価格はそれに伴って推移すると考えていいのではないかと思います。

株式などの金融商品の上昇に投資する一方、金(ゴールド)への投資をリスクヘッジとして活用するのも良い資産運用方法だと考えます。

 

 

ビットコインはただの仮想通貨ではない

金(ゴールド)は、通貨に対する信用度合いのバロメーターのように機能しています。

そういった意味でも、現実に金本位制への回避は考えにくいということになるのですが、金本位制が完全に過去のものになったわけではありません。

その証拠に、現代の金本位制とも呼べるシステムが登場しました。

それが、ビットコインです。

ビットコインは2009年に登場した、インターネット上の仮想通貨です。

ただし、多くの既存の通貨とは違い、発行元になる国家もしくは中央銀行は存在しません

しかし、ビットコインが根拠のない、いい加減な通貨ではありません。

世界的に完全な通貨として認められていないことから仮想通貨とされていますが、その内実は、本物の通貨といってもいい存在になりつつあるのです。

 

ビットコインに賛同する世界中の人が検証作業を提供して信頼性を保っている

ビットコインは、取引を行う度に、それが本物であるかを数学的アルゴリズムを使ってネット上で検証します。

そのためには、検証作業を行うためのコンピューターが必要になります。

ビットコインは全体を監視する国家や中央銀行が存在しない代わりに、ビットコインに賛同する世界中の人々が、自身のコンピューターを検証作業用に提供することで、全体の信頼性が保たれています

 

ビットコインは金鉱を発見するシステムと同じ

検証作業用に提供する人は、決してボランティアで提供しているわけではなく、検証作業に要した作業量に基づいて、その人たちにはビットコインで報酬が支払われます。

鉱山で手間をかけて採掘した金の代わりと同じように、コンピューターで手間と時間をかけて計算した作業そのものに価値があるとみなし、これを通貨価値に基礎としているのです。

ビットコインの総量はあらかじめ決められており、採掘をする以外にその量を増やすことはできないため、このシステムが確立できます

経済学的に考えると、これは現代の金本位制であり、そこに、投下労働価値説の考え方をミックスしたものと言えます。

 

当初不安定な通貨でしたが世界的に確立しつつある

ビットコイン誕生当初は物珍しさもあって、バブル的な相場となり、既存通貨との交換レートが乱高下しました。

さらに日本にあった世界最大の取引所が、ハッキングによってコインが盗まれ、破綻するという事件が発生してしまい、これが混乱に拍車をかけてしまったのです。

しかし、米国政府が事実上ビットコインを公認したり、エクスペディアやデルコンピューターなど、世界的な大手企業がビットコインでの支払いに対応するなど、ビジネスの現場では普及が進んでいます。

ビットコインは金本位制と同じですから、一定量以上の通貨を供給することができないため、決算手段として普及することになれば、既存の通貨との交換レートは一定のレベルに収束するはずです。

 

実際にここ数年の値動きは金(ゴールド)価格のチャートと似た動きをしている

173※参照元:BLOCKCHAIN

実際に、ここ数年のビットコインのチャートを見てみると、2009年に登場した当初から2013年頃までは不安定な動きをしていましたが、ここ数年間は、金(ゴールド)価格と同じように、通貨や金融商品の信用と連動しているかのように推移している傾向が見られます。

 

通貨は多くの人が認めれば自然に価値を持つ

多くの人は、通貨というものは、国家が管理しないと存在してはいけないと思っています。

しかし、必ずしもそうとは限らないのです。

通貨というのは、多くの人が通貨と認めれば自然に価値を持ち、流通する性質を持っています。

香港ドルのように、民間銀行が発行する通貨(香港特区政府の監督下ですが)もありますから、国家が一元的に管理したり、国家の絶対的な信用がないと通貨として機能しないということはありません。

 

日本が戦前に採用していた金本位制はかなり危うい信用だったが成立していた

歴史の教科書には、日本は日清戦争の勝利で得た賠償金を元に、金本位制を開始したと書いてありますが、厳密に言うとこれは正しくありません。

清は日本に金の支払いができず、当時の覇権国である英国に対して外債を発行し、金の価値に相当するポンドを借り入れ、それを日本に支払ったのです。

ポンドは英国が保有する金を裏付けとして発行されたものですが、金そのものではないにも関わらず、日本政府はこれを金とみなし、信用ある通貨を担保に、日本円を発行したのです。

現在で例えると、日本政府が米ドルをたくさん持っているので、日本円には信用がありますと言っているようなものです。

この考え方は、かなり危うい信用ですが、現実に日本円は、英ポンドを担保にしっかり価値を維持していました。

当時の明治政府のように、政府に対する信用があまりない状態であっても、価値の根源がどこに存在するにせよ、多くの人がそれを価値のあるものと認めれば、通貨は成立すると言えるのです。

 

人々への信用が確実的なものになればビットコインは通貨の代わりになる

ビットコインは、通貨の信用力を担保するために費やした労働力がその価値の根源になっており、非常に地に足がついているものです。

人々が貴重だと思うからという理由で絶対的な価値が生まれている金(ゴールド)よりも、考え方によっては信頼度は高い存在なのかもしれません。

政府による管理が絶対条件ではないことを考えると、ビットコインが通貨として普及しても不思議ではなく、ビットコインが金本位制に近い存在だとすると、今後、金(ゴールド)と同じような値動きが長く続く可能性があります。

既存の通貨に対する信用が低下すると買われ、既存の通貨への信用が高まると売られるという図式です。

また、世界中の通貨を取り扱うサイト(航空チケット予約やホテル予約など)が次々とビットコインを採用し、輸出入などの支払いなどにもビットコインが使用されるようになると、ますます本格的に通貨の役割を果たす存在になると考えられます。

 

まとめ

  • 金(ゴールド)の価値は通貨(米ドル)で評価される
    リマーンショック後からの米ドルの不安で急騰した金(ゴールド)価格
  • 米国経済の先行きを考え金(ゴールド)価格の先行きを予想する
    金本位制とは金(ゴールド)の保有量に応じて通貨を発行する制度
    世界的な金融緩和などで新しい成長段階に突入したと考える人は金に対して悲観的
    物価を考慮した金価格は過去のピークを超えていない
  • 金(ゴールド)への投資は株式のリスクヘッジとして活用できる
  • ビットコインはただの仮想通貨ではない
    ビットコインに賛同する世界中の人が検証作業を提供して信頼性を保っている
    ビットコインは金鉱を発見するシステムと同じ
    当初不安定な通貨でしたが世界的に確立しつつある
    実際にここ数年の値動きは金(ゴールド)価格のチャートと似た動きをしている
  • 通貨は多くの人が認めれば自然に価値を持つ
    日本が戦前に採用していた金本位制はかなり危うい信用だったが成立していた
  • 人々への信用が確実的なものになればビットコインは通貨の代わりになる

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