海外の銀行や投資家たちは日本円を借りて投資をしている?『円高になる正体と理由』

海外の銀行や投資家たちは日本円を借りて投資をしている?『円高になる正体と理由』

世界経済のリスクが高まると、日本円が高くなる(円高)になることは、多くの人が知っていると思います。

しかし、なぜリスクが高まると円高になるのでしょうか?

ただ、日本円は信用度が高く安全だから、といった理由だけではないのです。

そこで今回は、世界経済のリスクが高まった時、世界中でどのような動きになるのか、また、リスクオンの状態の時は、どのように投資が行われているのかを見て、考えていきたいと思います。

マイナス金利政策が円高になった要因ではない

2016年8月現在、昨年と比べると急激に円高が進んでいます。

この傾向は今年(2016年)に入ってからで、あたかもマイナス金利の影響で円高になってしまったと思われる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、実はそうではありません

 

日銀当座預金にお金が入りにくくなるとその分市場に出回る

ここでハッキリ申し上げますが、マイナス金利自体は円安効果があります。

銀行が新たに日銀当座預金に資金を受け入れる際に金利を徴収することで、銀行の余剰資金がこれ以上日銀当座預金に入れにくくするため、市場に流れる資金量を増やします。

これは、量的金融緩和に近い効果があり、必然的に通貨の価値が下がる円安効果があるのです。

 

世界経済にリスクを感じるとリスク資産を安全な日本円に替える

現在、円高になっている理由は、中国バブル崩壊のリスクと、イギリスのEU離脱などのヨーロッパの金融リスクが主な原因で、比較的安全資産とみなされている日本円が買われているためです。

世界中の投資家たちは世界経済の不安が高まると、安全な金融商品を買いに走るようになります。

 

もともと日本円を借りそれを両替して新興国などに投資をしている

キャリートレードと呼ばれている手法で、海外の銀行などは低金利の日本円を借り、その資金をドルに替えて、新興国などにハイリスクの短期資金を中心に投資をしています。

これを円キャリートレードと呼び、先進国は、成長率が低く金利も低い一方、新興国は成長率が高く金利も高いので、新興国への投資は高利回りが期待できます。

為替相場が変動しないと仮定し、為替効果がゼロであるという前提ならば、金利0.1%の低金利の通貨で資金を借り入れ、金利が5%の国に投資をすれば単純計算で4.9%の利益を得ることができます。

 

円キャリートレードで借りていたお金を返す動きが円高にする

しかし、金利が高いということは、それだけ大きなリスクがあるということです。

世界経済にリスクがあると判断されると、決算の時などに利益を確定させるため、資金を新興国から引き上げることになります。

その際、金利を払わなければいけないので、ここで円キャリートレードで借りていたお金を返す作業が行われます。

現地通貨をドルに替え、ドルを売って日本円を買う動きが起こるので円高になるのです。

 

海外通貨建てのファンドを売却し日本円に替える動きもある

その他にも、理由があります。

日本は世界一の純債権国ですので、金融機関が海外のソブリン債(政府発行債券)ファンドなどの投資商品を持っていれば、海外の株式ファンドや新興国ファンドなどを買っていることになります。

そこで円高になると、海外通貨建てのファンド価格が下がりますので、ファンドを売って損切りする人が増えてきます。

ファンドが売られれば投資信託の一口当たりの値段も下がりますから、ファンド運営会社は海外資産を売却してファンドを売った投資家たちに資金を戻します。

この時売却したファンドがドル建てであれば、ドルを売って円を買う動きになりますので、円高が促進されるというわけです。

 

世界経済のリスクが高まると日本円を新たに買い換える

世界経済のリスクが高まると、海外の銀行や投資家たちがリスク資産から安全資産への買い換えを進めるのも大きな円高の要因です。

他国通貨をドルに替え、安全性の高い日本円を買うことで資産の安全性を高めます

 

日本円を買われる動きに合わせて投機筋も動く

日本円を買うことで安全資産の確保に動くと同時に、投機筋が為替のテクニカルな部分で、円高局面で儲けるために日本円買いを進める現象も起きます。

投機とは、テクニカルな部分や短期的な動きを狙って利益を得る行為です。

ここで言う投機とは、FXを利用して、円高ポジションをとって利益を上げます。

為替相場が円高に進んでいく過程で、この動きは大きな圧力になります。

 

日本の国富は大きく通貨の信用度が高い

金本位制の歴史と崩壊『通貨のリミッターは切られ国富を奪う』の中でも述べましたが、通貨の担保となっているのは、国富です。

日本は世界一の純債権国ですので、国富は大きく、現在の時点では通貨の信用度は非常に高いとみなされています。

今年、中国バブル崩壊リスクから、ドイツ銀行の信用不安、イギリスのEU離脱などが相次ぎ、円高のトレンドが形成されてしまったように感じます。

それよりも上回る金融緩和が実施されればもちろん円安になりますし、上記のようなリスクが和らぐことも円安につながります。

円高になることの全てがマイナスの部分であるとは言えませんし、この先何が起こるのかは誰にもわかりません。

それでも、なぜ世界経済にリスクが生まれると日本円は買われるのか?などを理解しておくことが、長期投資をする上で必要不可欠になるのではないでしょうか。

 

まとめ

  • マイナス金利政策が円高になった要因ではない
    日銀当座預金にお金が入りにくくなるとその分市場に出回る
  • 世界経済にリスクを感じるとリスク資産を安全な日本円に替える
    もともと日本円を借りそれを両替して新興国などに投資をしている
    円キャリートレードで借りていたお金を返す動きが円高にする
    海外通貨建てのファンドを売却し日本円に替える動きもある
  • 世界経済のリスクが高まると日本円を新たに買い換える
    日本円を買われる動きに合わせて投機筋も動く
  • 日本の国富は大きく通貨の信用度が高い

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